白塗りの裏側

ヴィジュアル系バンドのボーカルと嘘をついて、平成29年4月26日まで嘘を書いてました

第55回 「下の下」

近所にいつも煙草を買いに行くコンビニがあって、煙草を買いに行ったときだけどのまま流れで店外の喫煙スペースで煙草を吸うんです

 

このコンビニ、進行方向でいうと左手にあって、喫煙スペースで煙草を吸ってると信号待ちをしてる車の助手席にまあ目が行くんですね

これはまあ私の住んでる場所柄なのかよく分からないんですが、助手席に座ってる人って凄い虚無顔してません?

 

「たまたま目に付く人がそうなだけ」って言われたら何も言い返せないんだけど、この喫煙スペースで吸ってると前を停まる車の助手席には高い確率で虚無が座ってる

虚無が擬人化したらこうなんだなーって毎回思う

 

確かに私も助手席に座ったらあんな顔してるかも

運転手に対するサービス精神は皆無、まるで別次元に居るかのような佇まいで助手席に座ってます

 

助手席に座るとやることは何もない

ていうか運転手以外、車に乗ってる奴にやることなんてないな

ただ良識ある人は気を遣ってカーナビを操作したり、運転手が眠くならないように話しかけたり、まあ色々やりますが

 

そんなサービス精神私にはねぇや、ひでぇなこりゃ

 

私と同じ人間だから目に付いたのか

潜在的に同じ奴を見つけて自分だけ悪者にならないようにしてたんだな、あわよくばもっとひでぇ奴見つけて自分より下の存在がいることを確認したかったのかな

 

そんな奴いねぇよ

第54回 「かご」

5時に夢中!を観終えてからエアコンを入れるっていうルールを自分に何となく課してるんですが、昼間からエアコンを入れちゃうダメな自分が出てくる日が毎年何日かあって

何となく課してるルールなんでそんなに自分を責めないんですが、ふと煙草を吸いに外に出たら「何だよ、エアコン入れなくても全然イケんじゃん」っていう気温だったときのあのイラッてなるやつ

 

誰かあの現象に名前付けてくれませんか

 

さて、近所のスーパーに買い物に行ったんですが、買い物かごを取り忘れるという失態を犯してしまいました

「いや取りに行きゃあいいじゃん」と冷たいセリフを発する方もおられるでしょうがこのスーパー、かごを入り口にしか置かないタイプのスーパーなんです

 

だいぶ奥まで進んだ後に取り忘れたことに気づき、取りに行くのも面倒だし、何より店員さんに「あの人かご取り忘れてわざわざ取りに戻って来たよ」って思われるの嫌じゃない?

私が店員さんだったらそう思いますもんね、ニヤこいてしまいます

 

一応レジのとこにもかごがあるんですが、お客さんの使い終わったかごを溜める、みたいな感じで置いてあるんです

そこにフラッと行って取るのも何かアレだし

大鷲の卵を大鷲の目を盗んで取ってくるクエストのようなシチュエーションなんでとてもじゃないけどできない

 

そんで今日買おうとした物が冷凍ポテトだったんです、こんな日に限ってかごを取り忘れるなんて

 

冷凍ポテトだけだったんで早い話かごなんか必要ないんです、手に持ってレジに行けます

ただね、あんまり何を買ってるか人に見られたくないっていう気持ち、分かりますかね

想像されたくないっていうか、「買う物だけで何を想像されんだ」って感じですが、私結構人が何買ってるかってのを見ちゃうんですよ

 

「え、こんなナリしてんのにめっちゃヨーグルト買うじゃん」とか「豆腐ともやし……女の子も大変なのね」とか

自分でそんな想像するくせに、人からは想像されたくないっていう非常に面倒くさい人間なのです

なのです、じゃねぇわ

 

もちろん皆さんかごに入れてますよ

「かごに入れてても見えてんじゃねぇか」って冷たいセリフを発する方もおられるでしょうが、こればっかりは自分の気持ちの問題

かごに入れるだけでちょっと安心感が生まれるんです、来るとこまで来てますね

 

ただ物にもよります

ペットボトル1本とか、想像を掻き立てられないようなときはそのまま持って行きますが、いかんせん今日は冷凍ポテト1袋

 

掻き立てられる掻き立てられる

もし自分の前に冷凍ポテトを1袋だけ持ってる人が並んでたら、めちゃくちゃ想像を掻き立てられますもんね

「え、今日これしか食わんの?」

「大人が冷凍ポテトだけ買うってことこの世にある?」

「鍋に入れた大量のポテトをただじっと見つめる時間、何これ?」

 

買わなくてもいいミネラルウォーターを1本買ってしまいました

せめてもの悪あがき、想像が散ってくれと思いつつ私の後ろにはたくさんの人が並ぶという結果となりました

 

かごを取りに戻るか、そのままレジへ持って行くか

あなたの自意識過剰が試されます

第53回 「ノスタルジー」

この3連休を利用して実家に帰りました

利用して、と言っても日曜日に実家に帰り水曜日に東京に帰ってきたんで、結局3連休をはみ出してます

連休なんて関係ないね、嗚呼、大人になっちまったなあ

 

いつも実家に帰るときの電車の中で思うんですが、「帰る」って言葉、難しいなあと

「週末に実家帰るから、たぶん火曜日くらいに東京に帰ってくるわ」と10代のときはこんな「帰ってばっかり」の頭の悪いメールを友達に送ってました

だから最近は「実家に帰る」、「東京に戻る」と使い分けてます

あんまり差は感じないですけど、あくまで魂は田舎に、ソウルは田舎にあるってことで

 

何言ってんだかよく分かんなくなってきちゃった

SPECか、風呂敷引き過ぎて何が何だか

 

田舎って晩ごはんがめちゃくちゃはえーんですよ

各々の家庭で誤差はあるでしょうが、うちは17時でした、はえはえ

 

ちょっと晩ごはんまで時間があったので、思い立って映画を観に行きました

 

実家の最寄駅から映画館のある駅まで15分、その駅から30分歩いたところに映画館があります

映画館へ向かう道中バカでかいホームセンターが2店あるんですが、その間隔が都会によくある「あんな近い距離にファミマ2店建ててどうすんの?」って距離なんですよ

あんな近い距離にホームセンター2店建ててどうすんの?

そんで駐車場がまあまあ埋まってんの、あれ何なの?

めちゃくちゃ恐いんだけど

 

ああ、言い忘れてました、ポケットモンスター観に行きました

いい歳こいてポケモンかよって周りはやいのやいの言いますが、20周年だぜ

バシューンと世代だぜ、そりゃ観に行くっしょ

 

観に行った日が海の日で祝日だったんで周りが幼いガキばかりかと危惧してたんですが、そんな心配もいらず

後ろの座席に座っていた人間が「この映画館アイコスNGなの?」って

よかった成人だ、私みたいな奴がいて安心しました、あとアイコスOKの映画館なってこの世に存在しねぇから

 

だけどカウンターで「ポケットモンスターおとな1枚」って言うのババちびるくらいこっ恥ずかしい

体内の水分ほとんど汗で出ちゃったような気がしました

 

内容については各々で確認していただいて

結論、ビャービャー泣きました、汗でほとんど出ちゃったような気がした体内の水分がカラッカラになりました

 

ズルいよ、歌でもうウルッと来ちゃうんだもん

ズルいよ、ホントに

 

スーパーノスタルジーになって家路に着いたとさ

生まれ育った田舎に帰ってきてノスタルジーに浸って、ポケモン観てノスタルジーに浸って

ノスタルジーで溺れ死ぬ

第52回 「さようなら」

バイトもいよいよ最終日

慣れてきたのかバッチリ3時に起きれまして、昨日と同じ仕事をただひたすらにこなす

 

えらいもんで暑さにも慣れました

ただ周りの男たちに比べて私は汗をあんまりかかない体質の人間なんだと分かりました

みんな黒いポロシャツに塩噴くくらい汗かいてんだもん、浜辺かよって

 

周りがおっさんばっかりってこともあって、2日目3日目と日が経つにつれてどんどん人が減っていくんです

脱落者って言うと何かあれなんですが、脱落者ですよねもう

 

大体前日に缶チューハイを買ってることが確認できた人間が脱落していきますね

当たり前だよ、そんでそんな人間が何人もいるっていうこの状況ね

 

ヒリヒリするぜこの空間

 

ここで一服

カリカリ梅の種の中にある白いやつくらい小さなエビに、カリカリ梅本体くらいの衣を纏ったエビチリが入ったお弁当を食べてちょっとだけ元気になります

鶏肉とカシューナッツの炒めの方にすりゃよかった、マジで二者択一に恵まれない

 

そして18時

仕事終了まであと1時間、「長かったなあ……」と沈んでいく夕陽を眺めながら控室に戻ると、一緒にやってきた人間がほとんどいない

 

どうやら現場の人間に残業を臭わされたらしく、みんな尻尾を巻いて逃げちゃったみたいです

 

やられたよ

帰るタイミング完全に逃したよ、そりゃ私だって帰りたいよ、あんなにこき使われて

だけど「私も帰ります」なんて言えるタイプの人間じゃないし、結局残業をしていく羽目に

もう地下労働者ですわ

 

「嫌だ厭だ否だイヤだ……」と嫌だ念仏を唱えてたんですが、蓋を開けてみると30分程度物を運ぶだけでした、肩すかし半端ねぇな

 

あんな状況で残業するような人間なんて屈強な男ばっかりだったんで、私は端っこの方でぷらぷら物を運んだり運ぶフリをしたり

まあ通常運転ですわな

 

そしてさようならの時

まあ派遣バイトつっても、2泊3日共に過ごした仲ですから、何者か分からなくても生まれるちょっとした絆というか、絆って言っちゃうとアレなんですけど

絆みたいな感じだけど絆よりは3ランク下くらいにあるやつ、名称が分からないんで良いの知ってたら教えてください

 

長かった2泊3日の派遣バイト、終わって控室出たらもう誰もいねーでやんの

気持ちいいね、こうじゃなきゃ派遣バイトは

 

帰りのりんかい線、行くときと帰るときじゃ乗ったときに思うことが違うような気がしました

そんな大した3日間じゃなかったけど

第51回 「快眠顔」

派遣バイトのお話の続き

 

2日目、何とか3時に起きれました

念のためにアラームを3つセットしてたんですが、2つ目でなんとか起床

あっぶねぇ、冷や汗たらり

 

昨晩「どっちか起きれなかったらそのときは」「まあ、どっちも起きれなかったらおしまいですけどね」「ワロスワロスwww」みたいなやりとりを真っ暗な部屋の中でしたんです

修学旅行の夜かよ気持ち悪い

 

結局どっちも起きれて万々歳

ちょっと相手の方がすっきりした顔だったのでイラッとしました、そりゃこの世の終わりみたいないびきで寝てんだもん、快眠だろ

 

さらりと準備を済ませてホテルのロビーへ

寝坊した奴がひとりもいなくてつまんない、どうせならド深夜からピリッとした空間作ってくれよと

 

ホテルからイベント会場へは送迎バスが出てました

たまたま後ろの方にいたんで、1台目のバスには乗れずピストンでやってきた2台目に乗ります

1台目の乗車率がエグかったんで、もちろん3日目はワザと後ろの方でプラプラして2台目に乗りました

 

小学校の遠足とかでバスに乗ったときの補助席に座ることになった奴のみじめったらしさったらないですよね

両端に2つずつ席があるとして、絶対2:1:2の構図になりますもんね、損しかしないよ補助席は

 

会場に着いて昨日と同じ控室に通され、朝ご飯のおにぎりをいつもなら朝からご飯なんて食べないんですが、何かこう非日常っていうかド深夜に食べるおにぎりってどんな感じなんだろう、でもいつも食べないからルーティンを壊すのもなあとぶつぶつ言いながら食べました

結局食べました、ド深夜に食べるおにぎりはお米の味がダイレクトに伝わってきました

 

4時半にはもう仕事を始めるそうで

「えらい早いけど何なの?」って思ってたら、始発組ってのがいて5時くらいにはもう会場にお客様がいるんですよね

目を覚ませよと、朝っぱらからこんなところにいて今後の人生の中で役に立つことが何かあるか

 

といわんばかりの顔をしてたら、社員みたいな人に「疲れてるなあ」と肩をポンと叩かれました

読解力の乏しい人でよかった

 

そこからはもう永遠とチラシ配り

4人1組になって2人ずつ順番に30分交代で回していきます

朝から晩まで、鶏と蝉と烏の鳴き声をコンプリートできました

 

いやこれあと1日あるんかと思うと自然と瞼が落っこちてきますね

活動を止めさせようと無意識に脳から信号が送られてきます

 

そして今日もあの大いびきの洞くつに帰るわけです

マジで1日色々とイラッとすることあったけど、早朝のあのすっきりとした快眠でっせの顔が1番イラッとしましたわ

口に綿詰めて眠れや

第50回 「七夕」

派遣バイトのお話の続き

猿でもできるような仕事が続き、こきにこき使われた初日、お泊りするホテルでチェックインしようとすると「お連れさまがすでにお部屋に入っております」とのこと

 

名前を聞いたところで誰だか分からない、お部屋に入って初めてご対面する訳で

「どうか変人奇人に当たりませんように」と願ってホテルのドアをノックします、その日は偶然にも七夕、短冊持ってくればよかったな

あとデリヘル嬢っていつもこんな気持ちでノックしてるのかな

 

ドアの向こうから出てきた男は年の頃30代半ば、物静かで気の弱そうな感じ、ひょこんと顔を出し「あ、こんばんわ……」と呟きます

 

当たりだ、おじさんばっかの中で私の次の次くらいに若い人、当たりだよ

チェンジされなくてよかった、織姫と彦星は出会えなかったけど、私は当たりの人間に出会えたよ、皮肉ですね

 

と思ったのもつかの間、どこでスイッチが入ったのかあんまりよく覚えてないんですが、まあその当たりの男が喋るんですよ

今まで喋ってこなかった分をここで取り返してやろうといわんばかりの言葉の速射砲

リロードがバカみたいに早ぇ早ぇ

 

もちろん私は最低限の情報しか公開しません

ひたすら相手の言葉の銃弾を体に浴び、アメリカのアニメに出てくるチーズみたいになっちまいました、穴ボコボコ

すぐにでもシャワーを浴びたかったんですが、一番風呂は当たりの男に差し上げました

 

そして私の番、バスルームの扉を開けるとそこは広々としたユニットバスでした

結構きれい目のホテルだったんでまさかユニットバスとは思わなかった、思わな過ぎて「いやUB(ユービー)かい」って言いそうになりました、てか言ったと思うたぶん

 

シャワーもそこそこに一服して寝ようかな、なんて思ってたら、当たりの男がベッドに腰掛けてこちらに機関銃を向けてるではないか

 

いやまだ喋るんかい

こういうの初めてなんか、修学旅行行けなかったんかお前さんは、もうハズレだよこの人

当たりの皮を被ったハズレ、当たズレだよこの人

 

何とか数分でおねんねしましょうに持ち込んで事なきを得ました、下手したら寝ないで語り明かすところだったよ

22時半就寝、翌3時起床予定、おやすみなさい

 

翌24時半に1回目が覚める、いやいびきも半端ねぇのかよこいつ

いびきに吸い込まれてしまいそうなくらい半端ないいびきでございました

第49回 「イカれてる人たち」

先週末の金土日と派遣バイトに行ってきたお話の続き、っていうかまだ集合場所に到着したところまでしか書いてなかった

需要がないのは分かってますが、これは超大作になってしまうような気がします

何が超大作だよ

 

ぞろぞろ「それっぽい人たち」が集まってきて、適当に点呼取って、現場に向かいます

その様はまさにドラクエのそれ、馬車があったらどれほど楽なもんか

炎天下、ずっと毒の沼地の上を歩いてるような気分

 

馬鹿デカい会場ということで、現場に着いたらメチャクチャ人がいるんですよ

その様はまさにピクミンのそれ、雑に投げられたり、雑に物運ばされたり、そんなことはつゆ知らず、控室に通されます

 

現場の人の軽い説明を聞き、「とりあえず今日は雑務をします」と

イベントの来場者に配るチラシの折り込みやら何やら、猿でもできるような仕事をこなして、支給されるお弁当の時間

 

このお弁当がハズレでした

 

和と洋、どちらか選ぶ

中身は分からない、かといってすでに食べてる人をジロジロ見るわけにもいかないし

でもジロジロ見てる人いましたけどね、ラーメン二郎で後ろに並んでる奴じゃねぇんだから

私はそんな奴にはなるまいと思ったので勘で和にします

 

二者択一で大体失敗している私です

サバの塩焼きと煮物と卵焼きだったかな、和のお弁当としては100点、ただご飯が進むとかといったら10点です

巾着で米が食えるかよ、こんなことならおでんをおかずにご飯を食べる家庭に生まれたかった

 

ご飯の時間を大切にする私ですが、そそくさと食事を済ませ、猿でもできるような仕事をこなして1日目は終了

 

20時、ここからホテルへ移動

事前に聞いていた「宿泊部屋はシングルかツイン、どちらかは選べません」の限りなくゼロに近いシングルになることに望みをかけていざホテルへ

 

ツインでした

分かっちゃいたけど嫌ですね、分かっちゃいたけど嫌ですね

ホントに嫌だったんで2回言いました

 

何だかんだでホテルに着いたのが21時ちょっと前、2日目はホテルのロビーに3時半集合、起床は3時

全盛期のピンク・レディーか、イカれたスケジュールじゃねぇかよ

 

何時間寝れるだろう、そればかりを考えてたんですが、ホテルのエレベーターで一緒になった「それっぽい人」が缶チューハイを3本くらい買ってるのを見て、私はまだ大丈夫だとちょっと安心しました

 

この人が朝起きれなかったときのことを考えるとウキウキでしょうがなかったです、興奮しちゃって寝れるかしら

この人もイカれてますが私もイカれてるんですかね、ベクトルが違うだけで