白塗りの裏側

ヴィジュアル系バンドのボーカルと嘘をついて、平成29年4月26日まで嘘を書いてました

第96回 「どうせバスには乗れない」

試験監督のバイトに行って来た

 

5時半起床

去年の年末にパン屋のバイトを辞めてから別に早起きをしなくてもいい生活になり、「起きたらバイキングが始まっていた」なんていうのがザラで、久しぶりの早起きに「ちゃんと起きれるのか」とドキドキしていた

前日、夜のバイトを早々に切り上げて、寝酒の代わりにアイスコーヒーを飲みながら何だかんで1時くらいまで起きていた

オードリーのオールナイトニッポンを聴きながら床に就いたのだが、フリートークが終わるまでバッチリと聴いてしまい、さすがにヤバいと焦ってきて一服し、コーナーは聴かずに無音の中眠りについた

 

アラームが鳴る3分前、5時27分にバッチリと目が覚める

「偉いなあ」と透明な私の髪の毛をワシャワシャしながら褒めてあげた、ただ睡眠時間は正味2時間ちょっと、完全に徹夜明けのような「ハイ」の状態になっている、コンディションを最悪だ

 

最寄りの駅から試験会場までバスが出ている

私はバスにちゃんと乗れたことがあまりなく、「のりば」で大体迷う

今回はバスの出発15分前くらいには最寄の駅に着いていて、「今日は私の勝ちだ」と思い余裕綽々でのりばを探していたのだが見つからない

お目当てののりばが見つからない、3ののりばはあるのに行き先がまるで違う、焦りで胃酸が込み上げてきた

「……おい、もしかして北口か?」と気付いた時にはもう遅しだった、バスの出発2分前、それはもう「遅し」だった

南口からダッシュで北口に向かう、周りの人間には「あの人バスだか電車に遅れそうなんだな~」と思われている

クソったれが、「何で平仮名で『のりば』なんだよ、『乗り場』でいいだろ」と焦りで怒りがヘンな所に行っていた

 

結局バスには乗り遅れる

北口に着いた時にはもう乗りたかったバスがエンジンをふかせていて、そのエンジン音が私には「ばいば~い!」と嫌味ったらしく言っているように聞こえた

それでも私はワンチャンあるんじゃないかと右手を伸ばし、「待って~!」とバスに乗り遅れそうになった時のジェスチャー第1位でバスを追いかけた

「ホントにこのジェスチャーするんだな~……」と思いながらバスを見送った、バスの後ろに乗っていた人も、その私の姿を見たら「ホントにこのジェスチャーするんだな~……」と思ったに違いない

だからバスは嫌なんだよ、どうやったって乗れないようになってんだから

 

仕方なく、試験会場の1つ手前のバス停で降ろされるバスに乗った

1つ手前で降ろされるって何だよ、ここまで来るなら試験会場まで連れていけよ、ふとバスの窓を見たら、自分の額にマッキーの太で小っちゃく「エゴ」と書いてあった

 

結局試験会場には歩いて行くことになった

乗り遅れなかったら試験会場で降りれたのに、でも乗り遅れたからこそこんな綺麗な街並みを見ることができたとポジティブに考えようと思った

 

そんな綺麗な街並みは無かった

 

試験会場に行くまでの珍道中で1000文字をオーバーしてしまい、とても疲れたので今日はここで終わりにしよう

第95回 「ゼロからの」

近所のサンクスがつい最近ファミマになった

ファミマになるちょっと前から無印の商品を置き出したり、ファミチキを置き出したりとその片鱗は見せていたが、完全にファミマになった

 

弱いコンビニが強いコンビニに変わってしまうのはちょっと寂しい

実家にいた時、徒歩10分弱で行ける一番近いコンビニが「ホットスパー」という滅茶苦茶弱いコンビニだった、ロゴも緑の円の中にモミの木らしき物という滅茶苦茶弱そうなロゴ

滅茶苦茶弱いコンビニだが、ババアにブリトーを温めてもらうというエピソードを滅茶苦茶強く覚えている

弱いコンビニで育ってきたので、弱いコンビニが強いコンビニに変わってしまうのはちょっと寂しい

 

近所のファミマには基本夜しか行かない、煙草を買いに行くか、ベロベロに酔っぱらった帰りにアイスを買いに行くか

夜勤の人は大体顔を覚えている

コンビニで働いている人の特徴1位の「挨拶にクセのある人」と、煙草しか買っていないのにわざわざ袋に入れてくれようとする人

もう3年近くこの2人に接客してもらっている、雨の日も風の日も、クリスマスの日も

 

ファミマに変わってからも何回か煙草を買いに行ってこの2人に接客をしてもらったのだが、もれなくどちらも「トレーニング中」になっていた

「いやゼロからのスタートになっちゃうんかい」と悲しい気持ちになった

新しいオーナーに「この2人はずっと真面目に仕事してましたよ?」と詰めてやろうかとも思った

たかだかファミチキを作る仕事が増えただけだろ、そんな仕打ちあるかよ

 

私が同じ立場だったら床に名札をカルタの如くぶつけてそのまま普通に仕事をしてやるよ

だから強いコンビニはあんまり好きじゃない

第94回 「楽な方に」

去年の年末に3年間お世話になったパン屋のバイトを辞めたので、ここの所新しいバイトを探している

今日も自転車に乗ってサイクリングがてら、バイトを探しに行ってきた

 

夜はもう串焼き屋でバイトをしているので、探しているのは基本的には昼間のバイト

もうこんなことを口にするのはホントに最低だとは思うのだけれど、マジで滅茶苦茶楽なバイトがしたい

時給1000円、1日6時間くらい、週3,4日でマジで滅茶苦茶楽なバイトがしたい

 

家から自転車で15分の所にさびれたカラオケルームがあって、今日たまたまその前を通ったらバイト募集の張り紙が貼ってあった

経験上、張り紙の貼ってある個人のお店のアルバイトにハズレはない

しかも今時珍しいプレハブタイプのカラオケルーム、若い人間が気軽に行ける場所じゃない、100円ショップとコロッケ屋が併設されている

こいつは匂う、滅茶苦茶香ばしい香りがする

 

100円ショップとコロッケ屋ってどういう組み合わせなんだよ

マジで税金対策でやってるだろ

 

時給だけ表記されていなくて最低賃金臭いけど、こりゃあ楽そうだなと思った

腰の骨を2,3本引っこ抜いても働けるようなバイトがしたい

第93回 「あけおめ」

あけましておめでとうございます

 

年末年始は実家の栃木に帰っていた

大晦日に実家に帰り、そのまま飲み潰れてゲボを吐いて目を覚ますと年が明けていて、「いや年越しの瞬間興味ないんかい」とゲボにツッコミを入れて2018年がスタートした

そして二日酔いになって、挙句風邪をひいてしまい、そのまま引きずって体感的には昨日までずっと正月みたいな感じだった

5日に東京に戻ってきて夜はバイト、次の日も昼間は休んで夜はバイト、また休んでバイト、こんな生活を続けていたら治るもんも治らないに決まっている、風邪の方も多分「こいつ、思ってる以上に動くな」とびっくりしていたに違いない

 

偉いもんで、風邪のピークだったときに放送されていた「君の名は。」にはしっかり感動した

手のひらに「すきだ」って書いてあるシーンで体中が熱くなって、「え、これどっちのやつ? 感動? 風邪?」と脳みそに余計なことをさせてしまい反省している、ごめんなさいね

 

こんな状態になってしまったので、超超超久しぶりにアクエリアスとプリンを買った

「いや病人が買うもん買ってるやん……」と情けなくなった、病は気からという言葉を思い出して気合を入れた途端にこれだよ

あと真っ先に焼きプリンを手にした自分に物凄く腹が立った、あとシュークリームも買おうと迷っていた自分にも腹が立った、そうこうしている間にも熱は上がっている

 

おかげさまで今日は何となく体調が戻ってきているなあと思った

咳がまだ残るくらいでノドの痛みも熱もない

正月が遅れてやってきそうだ

第92回 「真夜中」

先日、夜遅くまで先輩と飲んだ

解散したのが3時前、いつもならこの時間は終電を逃しているので、そのまま始発まで飲んだりカラオケに行ったりして時間を潰すことが多い

ただ今回は自転車で移動していたので、始発を待たずに家に帰ることができた

 

3時に外にいるなんてことはほとんどない

12月も半ば、この世の終わりかというくらい寒かった

なのに帰り道、結構外でフラフラしている人間がいて「こんな時間に外にいるなよ、どういう神経してんだ」とブツブツ言いながら自転車を漕いでいた、どういう神経してんだ

 

シメに富士そばを奢ってもらったというのに、無性にパンが食べたくなって、しかも「コンビニで買うのちょっと高いしな~」と酔っぱらっているのにも関わらずお金にちゃんとシビアになる自分にちょっと引いて、吉祥寺のドンキホーテに寄った

3時半のドンキホーテ、店内の照明が4割増で明るく見え、「さっき飲んでたウーロンハイにクスリ入ってたんか?」とクソみたいな疑いを持った、マジでつまらないと今は思う

こんな時間にも関わらずお客さんは結構いた、自分を含め「底辺かよ」と思った

 

さすがにこの時間になるとパンは売り切れだったので、諦めて家の近くにある24時間営業のスーパーに寄ることにした

その道中、絵に描いたような酔っ払いの女性とすれ違った

顔を電柱にくっ付けて、電柱とその女性で漢字の「入」をずっと表現している

ご尊顔は確認できなかったが、小奇麗な服装でとてもそんな状態になるようには思えなかった

もうバスも走っていない、駅からも遠い、近くに居酒屋もない、何故こんなところでフラフラしているのかと頭の中が「???」になってしまい、脳みそが溶けだす前にスーパーに寄った

パンを買いながら、もしまだ女性が「入」を表現していたら声をかけようと心に決めた、その優しさ、さながらしょくぱんまんのようである

店を出て、来た道を戻ると、その女性はすでに別のしょくぱんまんに介抱されていた

 

一足遅かった

女性が「申し訳ありません……」とボヘミアンのような声でずっと呟いている

「いやそんな声してたんかい!」と笑いそうになってしまった

 

心にちょっとだけあった下心が、一瞬にしてなくなった

第91回 「ファミチキ」

家に帰る道中に塾があって、22時過ぎくらいにそこを通ると勉強終わりのがき達がわらわらとたむろしている

戦国無双だったらめちゃくちゃ爽快だなあ」と思いながらいつもそこを通り、たまたま近くのコンビニに寄った時の話

 

コンビニはがき達で溢れ返っている、中も外もがきだらけ

がき達をよく見てみると、揃いも揃って皆ファミチキを喰らっていた

さながら仕事終わりのサラリーマンがコンビニ前で煙草を吸いながら発泡酒を飲んでいるかのよう、「お疲れさんです」とサイレントで声をかけつつその光景を眺めていた

 

ふと「ファミチキ食べたことないなあ」と思った、そして「あ、からあげクンも食べたことないなあ」とも思った

別に嫌いという訳でもなくて、たまたま食べるタイミングがなかっただけの話

がき達が美味しそうにファミチキを食べている姿を見て、「大人なのに今キミ達が食べているそれの味を知らないんだ」と思うと急に恥ずかしくなり、逃げるようにコンビニから出てきてしまった

道中、「ファミチキってどんな味なんだろう」と想像しながら自転車を漕ぐ、そしてあっという間に家に着いた、バカかよ

 

初めてファミチキを食べるタイミングは、完全に今だった

またファミチキを食べるタイミングを逃したようだ、しばらく食べるタイミングもやってこないだろう

将来生まれてくる自分のがきに、ファミチキの味を教えてもらおうと思う

第90回 「名もなきあれ」

昨夜、自転車を漕いでいたら警察官に止められた

30m先の横断歩道に警察官が二人立っていて、「あー、ヤバいなー」と思いつつ私が二人に近付いていくと、向こうもそれに合わせて「待ってました、ヘヘヘ」と言わんばかりに近付いてくる

横断歩道までは脇道もなく、二人を撒くことは不可能だ

案の定「ちょっといいですか?」とガッチリ止められ、私はめちゃくちゃ不機嫌な顔をして自転車から降りる

 

そりゃ止められる訳だ、だってライトを点けていないのだから

10:0でこっちが悪いのに、警察官に止められるとめちゃくちゃ不機嫌な態度になってしまう「あれ」をやってしまった、誰か「あれ」に名前を付けてほしい

「ライト点けないで自転車に乗ってて警察官に止められたらさー、こっち100%悪いのに何かムカつかない? あれって何なん?」っていちいち言うのめんどくさいし、そんでまたこの話題って結構頻繁に出てくるし

 

兎にも角にも、「あれ」をまたやってしまった

そして「いや、ここにライトあるんですけど、今ちょっと壊れてんすよ」と「ちょっと前までちゃんとライト付けてたんですよアピール」を過剰にする

たぶん警察官もこのアピールは見慣れてるし、100均で売ってる雨に濡れたら一発でダメになる自転車のライトにも見慣れている

しかし警察官は全然不機嫌な顔などせず、淡々と仕事をこなす

 

「偉い~~~~~~!」って毎回思う、いや私が警察官だったらキレちゃう案件なのに

それに比べて私は何だ、ライトを買ってくっ付けりゃ済むだけの話なのに、それをめんどくさがってさらに「何で止められなきゃいかんのだ」と言わんばかりの態度をぶちかまし、エア舌打ちの連続だ

末端の教育を受けてきたのかと絶句してしまう

 

でもこの話をするとほとんどの人が「いや俺も同じよ~」と共感してくれるので、「末端の教育を受けてきたのは私だけじゃないのね」と安心して眠りにつき、次の日の朝には忘れている

そしてまた警察官に止められて、「あれ」をぶちかましてしまうのだ