白塗りの裏側

ヴィジュアル系バンドのボーカルと嘘をついて、平成29年4月26日まで嘘を書いてました

第101回 「肌寒い朝」

5月1日

朝まで新宿で飲んで、始発で自転車を停めていた吉祥寺に帰る

ガラ空きの中央線、自分も含め始発の中央線に乗ってそうな出で立ちの人間だらけ

パッと目が覚めたら吉祥寺の1つ先の駅、三鷹だった

 

いや何で一駅なのよ

立川くらいで目が覚めたらそりゃあ諦めもつく、ただ三鷹で目が覚めるのは納得がいかない、だって一駅だぜ、何とかならんかったんか

西荻窪で急ブレーキ掛けろよと思いながら朝6時過ぎ吉祥寺、それでもまだ6時

7時に床に付けたとしても8時間は眠れる計算

 

徹夜明けというのは不思議なモノで、時間が経つにつれて少しずつ眠気が無くなっていく

「意外と起きていられるな」ってなって、「掃除なんかしちゃいます~?」とかちょっとチョケてみる

どんどん妄想が膨らんでいく、「布団なんか干してみちゃおうかしら?」ともう眠らないこと前提の予定なんか立ててみる

これはこれはいい朝だ、「とりあえず、シャワーを浴びて一杯のコーヒーだな」と浮かれ気分で駐輪場に向かう

 

するとどうしたことだ、駐輪場の入り口が封鎖されているではないか

看板には「9時半から23時まで封鎖」の文字、あれれあれれと頭が真っ白になった

嘘やん嘘やん、帰れないやん

いや結構でっかい駐輪場だぜ、吉祥寺駅に用事がある人間は絶対に自転車を停める駐輪場だぜ

まだまだ続きます、通勤の時間どうしてんの?

9時半なんてもう仕事始まってる時間だぜ、6時半に自転車停めたい奴らどうしてんだよ

そもそも一回封鎖しに戻ってくるのめんどくさいだろ、23時に一回家から出て封鎖しに戻ってくるの嫌だろ

早起きして6時半に開放しにくるのはめんどくさいのかよ、しっかり9時半まで眠るな

料金「1時間までは無料、その後24時間ごとに100円」って書くなよ

そんな書き方されたら24時間空いているもんだと思うだろ、マジでふざけるな

 

まあ、どうせちゃんと見ていなかった私が悪いんだけどさ

結局7時に眠れる予定が10時半になり、朝の吉祥寺で3時間過ごさなくてはならなくなってしまった

24時間営業のスーパーでパンとコーヒーを買い、井の頭公園のベンチに座って一服をする、とにかく時の流れが長く感じた

微量のお酒が残っている中、中央の大きな池に沿って公園を1周する

「この時間でも結構人いるんだな~」と思った、事件の一つや二つ起きれば話のタネになるが、そんなことはなかった

朝の井の頭公園は優しい時間が流れている素敵な場所だった

 

9周してしまった

1周約20分、「拷問ですか?」と言いたくなるような数、犬でも気が狂うよ

何度も同じ景色、あの人まだあそこにいる、弱ホラー、3時間ずっとあそこに立っている

 

皆さんには、あの人が見えますか?

第100回 「パチンコ」

渋谷でパチンコを打った

 

いつもは近所にある小さなホールで打っているのだが、たまたま用事で渋谷に行き、先月は強運を纏っていたのでワンチャンあるかと思いホールに入った

 

渋谷のホールは近所のホールとは比べ物にならない程広く、地下1階、上は4階まであって「ルミネかよ」と思った

ルミネでは全くないのだが、無い知恵を絞って出てきた言葉が「ルミネかよ」、非常に情けない

 

あと同じ台が100近くあることにも驚いた、しかもそれがほとんど埋まっている

近所のホールでも20近くあって、それですら「そんなに同じ台ばっか置いて経営の方は大丈夫かしら?」と要らぬ心配をしていたというのに

何事も自分の物差しで測るもんじゃないなと思った

同じ台を100近く置いていても、渋谷のホールはきっと「黒」に違いない

 

時刻は20時過ぎ

ゆっくり腰を据えて打てる時間でもないので、5000円くらいで出なかったら帰ろうと思い台を選んでいたのだが、もれなく自分が座ろうとする台の隣には恐い人間が座っていた

その人達の写真を道行く一般の方に見せて、「この人、どういう風に見えますか?」的な質問をしたら、97%「渋谷でパチンコ打ってそう」という答えが返ってくる見た目の恐い人間が座っている

私はビビりなのでそういう人間の隣には絶対に座らない、万が一激アツの予告でも引いてしまった時には、骨の髄までしゃぶられてしまう

 

しかしパチンコは激アツの予告を引かないことには始まらないので、引いても何の害もないおばあちゃんの隣で打つことにした

今日は「この台出そうだな」とか、「結構ハマってるしそろそろ来るかも」とかで台は決めない

「仮に滅茶苦茶出たとしてもむしろ一緒に喜んでくれそう」という基準で決めさせていただいた

 

打ち始めて5分で隣のおばあちゃんが確変を引いた

何なんだよ、心を落ち着かせる為に煙草に火を点けたら、おばあちゃんの冷たい視線が飛んできた

 

渋谷のホールは、どの台に座っても大ハズレだなと一つ勉強になった

第99回 「サムいとか言うな」

先日、録り溜めていたドラマを一気に5本観た後、こちらも録り溜めていたあいのりとテラスハウスを一気に観るという現代のOLのような休日の過ごし方をした

非常に実りのある休日だった

 

ドラマは結構周りで観ている人がいるから「ああだこうだ」と話せるのだが、あいのりとテラスハウスに関してはマジで周りに観ている人がいなくて困っている

昔のあいのりを観ていた奴ら全員死んだのかというくらい見かけない

草食化の波はもうそこにまで来ているのかと不安になった

 

中学生の頃、録画したあいのりを家族でご飯を食べながら観るという謎の時間があったことを思い出す

一度だけ、録画を失敗してお袋に滅茶苦茶怒られたことがあって、「普通逆だろ」と思った

「お母さんの録画予約は信用できない」みたいなあるあるネタがあるくらいなのだから、あいのりの予約を恋愛もしたことないような中学生にさせるな

 

テラスハウスもびっくりするくらい周りで観ている奴がいない

「哲ちゃん」すら知らない奴がいる始末、「お前には娯楽が新聞しかないんか」と思わず言いそうになってしまった

 

これは声を大にして言いたいのだけれど、「あいのり」と「テラスハウス」を観ている人間はサムいみたいな風潮、もうヤメにしませんか

他人の人生をそのまま観ることができるのだから、面白いに決まってるじゃない

2つの番組、観ている方がいたらお気軽に連絡ください、深夜のファミレスでトコトン話尽くしましょう

 

 

 

 

 

第98回 「ウンコはウンコ」

先日、バイトをしている串焼き屋に近所の小学校の教師だと思われるお客様がいらっしゃった

「今から5人入れますか?」と最初に3人やって来て、快く受け入れると数分後、ぞろぞろと仲間がやって来て結局6人になっていた

「透明人間が仲間にいるんか、ちゃんと把握してから来いよ」とちょっと嫌な気分になった

 

メンバーは一番若い仕切り屋とその次くらいに若い太鼓持ち、40前後のまあまあ経験を積んできた2人とベテランが1人、そして若い女教師が1人の計6人

若い仕切り屋が気を利かせてメニューを注文する

「えーと、ここからここまでを全部1本ずつ」「おいマイケル・ジャクソンみたいな頼み方だな、ガハハハハ」

手堅く笑いを獲っていたが、オーダーを取りながら私はイロモネアの右端の絶対に笑わない審査員のような顔でその様を見ていた

頭の隅っこで「幸せそうだなあ」とも思った

 

若い仕切り屋がめちゃくちゃ気を利かせていたが、私にはもうウンコが気を利かせているようにしか見えなかった

まだドリンクが半分しか減っていないのに「何か飲まれますか?」と聞いて「まだいいよ」と返されているシーンを何べんも見させられている、NHKくらい再放送が早い

 

うちは一枚の長いお皿にどんどん串焼きを置いていくという『ちょっと良いお寿司屋さんみたいな』スタイルでやっているので、「串から外す際は別の取り皿でお願いします、次の串焼きを置けるスペースを空けていただけると助かります」とお声かけしている

「はい、分かりました」と言いながらそのウンコは長いお皿の上で串から外しだした

自分でフッて自分でオトすな、そして周りも「店員さん取り皿でって言ったよね?」みたいなことを誰一人して言わなかった

タレと塩が混ざった、ただの鶏肉とその他諸々の炒め物を「ウメー、ウメー」言いながら食べていたので、改めて頭の隅っこで「幸せそうだなあ」と思った

ウンコは一応お箸を逆にして持つ方で串から外していた、気の利かせ方を極振りしているウンコだった

 

ウンコはどうやら学校内ではいイジられ役らしい

うちに来たグループとは別のグループの連中が近くの別のお店で飲んでいるらしく、その場に潜入してこいと命じられていた

「あ、じゃあ動画撮ってきまっす!」とウンコは勢いよく飛び出して行った

多分その学校には派閥みたいなものがあって、あまり派閥間の仲がよろしくないんだろう、しかし今時「中学生女子でもそんなことはしないよ」と思った

意気揚々と戻って来たウンコは爆音でその動画を仲間たちに見せる、他のお客様もいるのに

親子二人でいらっしゃっていた子どもの方は、音を出さずにスマホでゲームをしていた

「こういう風刺画ありそう」と思った

 

盛り上がっているというより騒いでいるといった方がいい宴も終わり、お会計を済ませ、ウンコがウンコかオシッコをしにお手洗いへ入った途端、「アイツ置いて行こうぜ」と言いながら仲間たちがそそくさと店を出て行った

ウンコは取り残された

あれだけ気を利かせて、盛り上げる為に別の派閥の飲み会にも潜入しに行ったのに、ウンコは取り残された

 

これだから人生は面白いと改めて気付かされた一日だった

第97回 「要らないものは要らない」

携帯電話の機種変更をしてきた

 

私は10年近く使っている「電話、メール専用」のガラケーと、4年近く使っている「LINE、Twitter等のSNS専用」のsimフリースマホの2台持ちで生活してきた

こっちの方が何だかんだで通信料が安い

この度、この2台を1台にまとめようと人生初の機種変更をすることになった

 

私はお爺くらいメカニックに疎いので、前日に「機種変更とは何ぞや?」とインターネットで調べたら、どうやらショップで手続きすると「頭金」というものが発生するらしく、その「頭金」を払う人間は情報弱者らしい

情報弱者にはなりたくないので、「頭金」が発生しないオンラインショップで機種変更をしようと頑張ったものの7分で挫折した

お爺にオンライン機種変は無理だ、「もう情報弱者でいいや」と思いドコモショップへ向かった

 

「機種変更は待たされる」ということは信頼できる情報筋から聞いていたのでドキドキしていたが、ぐずつく天候のせいもあってか10分で案内された

しかし、手続きが全て完了するのに3時間と20分かかった

さすがは信頼できる情報筋だ、ちゃんと「機種変更は待たされる」

 

歌舞伎町のキャッチみたいなスタッフに料金だのプランだの一通り説明をしてもらった後、『キャンペーンでタブレットをプレゼントしております』と言われた

何となくそんな話は周りから聞いていたので、私は「スマホで手一杯なので要りません」と断ると、『え?』とキャッチの目が変わった

『ほとんどのお客様はお持ち帰りなさいますよ?』『タダですよ? 要らないんですか? え、何で?』と私をひたすらに変わり者扱いしてくる

「たぶんゴミになるから」と喉まで出かけたが、さすがにこんなこと言ったら変質者に思われると思い辞めた

キャッチも中々に手強い男で、『2色で展開しているんですけど、どっちかって言ったらどっちの色ですか?』『お客様みたいなおじいちゃんがいて、頑なに要らないって言ってたんですけど、先日ご来店されたとき、今じゃスマホよりタブレットの方が使ってるっておっしゃってました(笑)』とあの手この手で私にタブレットを持って帰らせようとしてきた

 

ははーん、これ、タブレットを持って帰らせるとこいつのポケットに金が入るんだな?

ピンときて、「絶対に持って帰らねえぞ」と神に誓った

キャッチは挙句の果てに『私も同じものをめちゃくちゃ使っているんですが……』と言ってきた

それはブティックの店員さんの手法だろと思った

 

『めちゃくちゃ使っている』と言っていたが、料金プランの説明するときのタブレットの使いこなし方が「めちゃくちゃ使っていない奴」の使いこなし方だった

お爺くらいのスピードで文字を入力し、お爺くらい文字の入力を間違える

 

出直してこい、タブレットの話はそれからだ

第96回 「どうせバスには乗れない」

試験監督のバイトに行って来た

 

5時半起床

去年の年末にパン屋のバイトを辞めてから別に早起きをしなくてもいい生活になり、「起きたらバイキングが始まっていた」なんていうのがザラで、久しぶりの早起きに「ちゃんと起きれるのか」とドキドキしていた

前日、夜のバイトを早々に切り上げて、寝酒の代わりにアイスコーヒーを飲みながら何だかんで1時くらいまで起きていた

オードリーのオールナイトニッポンを聴きながら床に就いたのだが、フリートークが終わるまでバッチリと聴いてしまい、さすがにヤバいと焦ってきて一服し、コーナーは聴かずに無音の中眠りについた

 

アラームが鳴る3分前、5時27分にバッチリと目が覚める

「偉いなあ」と透明な私の髪の毛をワシャワシャしながら褒めてあげた、ただ睡眠時間は正味2時間ちょっと、完全に徹夜明けのような「ハイ」の状態になっている、コンディションを最悪だ

 

最寄りの駅から試験会場までバスが出ている

私はバスにちゃんと乗れたことがあまりなく、「のりば」で大体迷う

今回はバスの出発15分前くらいには最寄の駅に着いていて、「今日は私の勝ちだ」と思い余裕綽々でのりばを探していたのだが見つからない

お目当てののりばが見つからない、3ののりばはあるのに行き先がまるで違う、焦りで胃酸が込み上げてきた

「……おい、もしかして北口か?」と気付いた時にはもう遅しだった、バスの出発2分前、それはもう「遅し」だった

南口からダッシュで北口に向かう、周りの人間には「あの人バスだか電車に遅れそうなんだな~」と思われている

クソったれが、「何で平仮名で『のりば』なんだよ、『乗り場』でいいだろ」と焦りで怒りがヘンな所に行っていた

 

結局バスには乗り遅れる

北口に着いた時にはもう乗りたかったバスがエンジンをふかせていて、そのエンジン音が私には「ばいば~い!」と嫌味ったらしく言っているように聞こえた

それでも私はワンチャンあるんじゃないかと右手を伸ばし、「待って~!」とバスに乗り遅れそうになった時のジェスチャー第1位でバスを追いかけた

「ホントにこのジェスチャーするんだな~……」と思いながらバスを見送った、バスの後ろに乗っていた人も、その私の姿を見たら「ホントにこのジェスチャーするんだな~……」と思ったに違いない

だからバスは嫌なんだよ、どうやったって乗れないようになってんだから

 

仕方なく、試験会場の1つ手前のバス停で降ろされるバスに乗った

1つ手前で降ろされるって何だよ、ここまで来るなら試験会場まで連れていけよ、ふとバスの窓を見たら、自分の額にマッキーの太で小っちゃく「エゴ」と書いてあった

 

結局試験会場には歩いて行くことになった

乗り遅れなかったら試験会場で降りれたのに、でも乗り遅れたからこそこんな綺麗な街並みを見ることができたとポジティブに考えようと思った

 

そんな綺麗な街並みは無かった

 

試験会場に行くまでの珍道中で1000文字をオーバーしてしまい、とても疲れたので今日はここで終わりにしよう

第95回 「ゼロからの」

近所のサンクスがつい最近ファミマになった

ファミマになるちょっと前から無印の商品を置き出したり、ファミチキを置き出したりとその片鱗は見せていたが、完全にファミマになった

 

弱いコンビニが強いコンビニに変わってしまうのはちょっと寂しい

実家にいた時、徒歩10分弱で行ける一番近いコンビニが「ホットスパー」という滅茶苦茶弱いコンビニだった、ロゴも緑の円の中にモミの木らしき物という滅茶苦茶弱そうなロゴ

滅茶苦茶弱いコンビニだが、ババアにブリトーを温めてもらうというエピソードを滅茶苦茶強く覚えている

弱いコンビニで育ってきたので、弱いコンビニが強いコンビニに変わってしまうのはちょっと寂しい

 

近所のファミマには基本夜しか行かない、煙草を買いに行くか、ベロベロに酔っぱらった帰りにアイスを買いに行くか

夜勤の人は大体顔を覚えている

コンビニで働いている人の特徴1位の「挨拶にクセのある人」と、煙草しか買っていないのにわざわざ袋に入れてくれようとする人

もう3年近くこの2人に接客してもらっている、雨の日も風の日も、クリスマスの日も

 

ファミマに変わってからも何回か煙草を買いに行ってこの2人に接客をしてもらったのだが、もれなくどちらも「トレーニング中」になっていた

「いやゼロからのスタートになっちゃうんかい」と悲しい気持ちになった

新しいオーナーに「この2人はずっと真面目に仕事してましたよ?」と詰めてやろうかとも思った

たかだかファミチキを作る仕事が増えただけだろ、そんな仕打ちあるかよ

 

私が同じ立場だったら床に名札をカルタの如くぶつけてそのまま普通に仕事をしてやるよ

だから強いコンビニはあんまり好きじゃない