第48回 「終わりの始まり」
先週末の3日間、金土日と派遣のバイトに行ってました、しかもお泊まり
少し潔癖なものですから、仕事は決まったがいいが当日になるにつれて嗚咽がひどくなってきます、行きたくねぇ
しかし一寸先は闇、時間は有効に使っていかないと
病気になってからじゃ遅いんですよ
当日、電車を乗り継いで結構遠いところまで行きました、電車を降りれば潮の香り、口が何だかしょっぱくなってきます
両手で収まる程度しか派遣のバイトに行ったことないんですが、まあその程度の扱いっていうか、待ち合わせが雑なんですよ
集合場所に行っても誰が関係者なのか分からない
看板持ったりとか、あいのりの新メンバーの如く段ボールを持って立ってろと、目印になれよと、文句を言いたいんですがまあその程度の扱いってことで
そんな感じだから、みんなちょっと離れたところでウロウロしてるんです
そんで何回かバイトに行くと、「あの人それっぽいな」って察知できる要らない特殊能力が身に付きます
マジで要らないから、貴重なスキルポイントを無意識のうちにこの能力に振ってると考えたらゲボ吐きたくなってくる
集合時間が近くなってくると「それっぽい人」と「それっぽい人」のツーペアができて、そのペアに「それっぽい人たち」が集まってきて、もの数分で「それっぽい人」の役のできあがり、高得点です
でもひとりひとりは花札でいう「カス札」ですから、私もそのひとり
今回のバイトもそんな感じで集合場所に誰もおらず、周辺に「それっぽい人」がウロウロしてました
しかも今日はエンカウント率が結構高い
私の目に留まった「それっぽい男」がひとり
年の頃は40代半ば、がっちりとしてて背はちょっと低め、黒いタンクトップに若い頃の江口洋介を思わせる長髪、迷彩柄のでかいリュック
いやランボーやん、この街にランボーおるやん、そのでかいリュックにマシンガン隠してねぇだろうな
いやいやちょっと待てよ、明らかに「それっぽ過ぎる」か
逆に怪しくなってきたぞ、さすがにそれはないか、私の考え過ぎでした、ブラフだブラフ、私を騙すならもうちょっと上手にやらないと、なめられたもんですよ
振り返ったら役の中にいました
いやランボーと一緒に働くんかい
「おはようございます」じゃないよ、もうランボーだと認識してたから思わず「日本語喋れるのかよ」と言いそうになりました、いや日本人だから当たり前なのよ
他にも、若い頃の吉田栄作のような見た目なのに歯が少し無いもんだからフガフガ喋る人とかいたんですが、ランボーに全部持っていかれました
こりゃ大変な3日間になるぞ、覚悟しなければ