白塗りの裏側

ヴィジュアル系バンドのボーカルと嘘をついて、平成29年4月26日まで嘘を書いてました

第88回 「知らないこと」

先日送った年金の審査の書類が戻ってきてしまった

どうやら「課税証明書」というものが必要らしく、戻ってきた書類にああだこうだと書かれていたが、何のこっちゃさっぱり分からない

まだまだ知らないものが世の中にはあるんだな~と、空を見上げ腕を組んでしまった知っていなきゃいけないものがまだまだ世の中にたくさんあるみたい、「宇宙の広さ、始まり」なんかに目をキラキラさせている場合ではないなと思った

 

最近、住民票を実家の栃木から東京に移してからというもの、今回のようにめんどくさいことが多々ある

コールセンターに問い合わせたら「栃木の方の市役所へ送ってくれ」と言われたので、担当者に小説のような分量の説明を受け、「もし分からないことがあればホームページを」と言われ、電話を切ってすぐホームページにアクセスした

「証明書を発行するのにお金が掛かる」ということを知り、また一つ空を見上げ腕を組んでしまった

よく自分はこんな世の中で、何も知らずにノホホンと暮らしているな~と、ちょっと誇らしくもなった

 

証明書1枚200円、私が用意しなくてはいけないのは3枚

しかも郵送では現金を使うことができないので、「定額小為替」という金券のようなものに換えて一緒に送ってくれとのこと

しかもこの「定額小為替」を発行するのにも手数料が発生する

1枚100円、600円分用意するには「500円分」と「100円分」の小為替が1枚ずつ

そして返信用の封筒も切手を貼ってこちらで用意しなくてはならない

私が幾ら稼いだか、幾ら税金を払ったかを証明するのに、切手代を含めて合計964円掛かってしまった

 

ギュッと水気を絞った雑巾くらい絞り取られている

絞り取られるという表現も語弊があると言えばそうなのだが、こちらとしてはそう思ってしまうのも無理はない

郵便局で封筒を出したとき、自然と「なんでやねん」と言ってしまった

そして昨日、送った書類が戻ってきて「こちら(栃木)の方ではデータが無いようなので、東京の市役所へ行ってみてください」とあった

 

いやパソコンが何ぼのもんじゃい

1億総パソコン社会のこの時代に、データが無いなんてことあるのかと両手を広げてWhy?だった

ワイファイどうなってんだよとか、ブルートゥースどうなってんだよとか、パソコンに詳しい人からしたら「お前がどうなってんだよ」と言われてしまうようなところで憤っていた

東京の市役所の窓口に行けば小為替は必要ないし、郵便で送る必要もない

調べたら、東京の市役所では証明書の発行をするのに1枚300円掛かるらしい、東京の物価どうなってんだよと思った

 

この時点で幾らマイナスになったか、想像もしたくない

そして東京の市役所に行ったら「こちらにもデータが……」と言われ30分近く待たされ、「何なんだろう……、住民票移したのは今年ですよね……、あれー……」とめちゃくちゃ難攻してますアピールをしながらバックヤードへと引っ込み、数分後に「分かりました!」と勝訴の紙を持って裁判所から走ってくるアナウンサーの如く、バックヤードから証明書を持って飛び出してきた

私は何を見せられているんだろうかと思いながら、「良かったです」と聞こえるか聞こえないかの声量で呟いた

 

こんな何百円のことでカリカリしないように頑張ろうと思い、また腕を組んで空を見上げた