第101回 「肌寒い朝」
5月1日
朝まで新宿で飲んで、始発で自転車を停めていた吉祥寺に帰る
ガラ空きの中央線、自分も含め始発の中央線に乗ってそうな出で立ちの人間だらけ
パッと目が覚めたら吉祥寺の1つ先の駅、三鷹だった
いや何で一駅なのよ
立川くらいで目が覚めたらそりゃあ諦めもつく、ただ三鷹で目が覚めるのは納得がいかない、だって一駅だぜ、何とかならんかったんか
西荻窪で急ブレーキ掛けろよと思いながら朝6時過ぎ吉祥寺、それでもまだ6時
7時に床に付けたとしても8時間は眠れる計算
徹夜明けというのは不思議なモノで、時間が経つにつれて少しずつ眠気が無くなっていく
「意外と起きていられるな」ってなって、「掃除なんかしちゃいます~?」とかちょっとチョケてみる
どんどん妄想が膨らんでいく、「布団なんか干してみちゃおうかしら?」ともう眠らないこと前提の予定なんか立ててみる
これはこれはいい朝だ、「とりあえず、シャワーを浴びて一杯のコーヒーだな」と浮かれ気分で駐輪場に向かう
するとどうしたことだ、駐輪場の入り口が封鎖されているではないか
看板には「9時半から23時まで封鎖」の文字、あれれあれれと頭が真っ白になった
嘘やん嘘やん、帰れないやん
いや結構でっかい駐輪場だぜ、吉祥寺駅に用事がある人間は絶対に自転車を停める駐輪場だぜ
まだまだ続きます、通勤の時間どうしてんの?
9時半なんてもう仕事始まってる時間だぜ、6時半に自転車停めたい奴らどうしてんだよ
そもそも一回封鎖しに戻ってくるのめんどくさいだろ、23時に一回家から出て封鎖しに戻ってくるの嫌だろ
早起きして6時半に開放しにくるのはめんどくさいのかよ、しっかり9時半まで眠るな
料金「1時間までは無料、その後24時間ごとに100円」って書くなよ
そんな書き方されたら24時間空いているもんだと思うだろ、マジでふざけるな
まあ、どうせちゃんと見ていなかった私が悪いんだけどさ
結局7時に眠れる予定が10時半になり、朝の吉祥寺で3時間過ごさなくてはならなくなってしまった
24時間営業のスーパーでパンとコーヒーを買い、井の頭公園のベンチに座って一服をする、とにかく時の流れが長く感じた
微量のお酒が残っている中、中央の大きな池に沿って公園を1周する
「この時間でも結構人いるんだな~」と思った、事件の一つや二つ起きれば話のタネになるが、そんなことはなかった
朝の井の頭公園は優しい時間が流れている素敵な場所だった
9周してしまった
1周約20分、「拷問ですか?」と言いたくなるような数、犬でも気が狂うよ
何度も同じ景色、あの人まだあそこにいる、弱ホラー、3時間ずっとあそこに立っている
皆さんには、あの人が見えますか?