白塗りの裏側

ヴィジュアル系バンドのボーカルと嘘をついて、平成29年4月26日まで嘘を書いてました

第103回 「センスない人間が聴いている曲」

音楽を聴きながら新宿を歩いていた

聴いていたのは林原めぐみの「りんごウラミウタ」

確かアニメ「シャーマンキング」のOPだかEDだか、ただのキャラソンだったかよく思い出せない曲で、「マンキンを知っていてもこの曲は知らない」みたいな現象がカラオケに行った時に度々起こる

マンキンよく観てたよー」何てあんたたちが言うもんだから、「この曲良いよね!」みたいなスタンスで入れると、「何その曲?」とか始まってしまう不憫な曲

そんな奴らは「マンキン」って略すな、勘違いするだろ、……そういう私もマンキンについてはあやふやだけれども

そんな「りんごウラミウタ」を聴きながらアルタ前を歩いていて、ふと思った

 

「今、この世の中で『りんごウラミウタ』を聴いているのは私だけなんじゃないか」

 

「これは久しぶりに何か面白くなりそうなことを思ったぞ、やったな私!」と自分を褒めてあげた

嬉しすぎて、「新宿ですれ違う人間が全員、私が今『りんごウラミウタ』を聴いて歩いてるなんて思わないだろうな。」とTwitterでも呟いてしまった

 

すると今度は、音楽を聴いている人間とすれ違うと「コイツは今、何を聴いているんだろう?」ということが気になってくる

「あー、コイツは倖田來未だなー」とか「コイツはEXILE聴いてるなー」とか、勝手に決めつけながら新宿を歩いていた

何となく雰囲気で何を聴いているか分かってはきたものの、小奇麗にしている普通の大学生とか、一般的なTHE・OLみたいな人間はちょっと難しく、「ミスチルか……、いや、それともちょっと外して真心ブラザーズみたいな線か……?」と必至こいて考えている自分がそこにいた

 

凄く答え合わせをしたくてモヤモヤしながら家に帰った

そして「絶対西野カナ! お前みたいなやつは絶対西野カナを聴いてる!」と勝手に決めつけた女の子からイヤホンを奪い取って、「会いたくて震えてんのか、あぁん?」といざ耳に当ててみたら「大江千里」だった時、0,1秒で好きになるなあと思った、てか好きにならない人間この世にいらっしゃるんですか?

そういう始まり方をする少女漫画、実はもう誰か描いていませんか?

 

ちなみにその時「りんごウラミウタ」を聴いていたが、自分を客観的に見て「コイツは何を聴いているんだ?」と考えた結果、「くるり」を聴いているということになった

センス有りそうな人間で何より

ちゃんと、ちゃんと自分を客観的に見た結果である