第105回 「異国、浅草」
お仕事で浅草に行ってきた
土曜日の浅草、人でごった返していて浅草そのものが嫌いになってしまいそうになったので、駅前のドトールに一旦避難することに
「嘘だろ」っていうくらい空いていた
「このドトールは見える人間と見えない人間がいるのか?」と不安になってしまい、「このドトールは稀にある不味いドトールなのか?」と心配になってしまった
至って普通のドトールだった、ちょっと冷房が利きすぎてはいたけど
煙草の灰が冷房の風で踊っていた
お仕事まで時間があったので浅草をちょっとぷらつく
浅草寺で煙を浴びに浴びて、特にお頭周辺に煙を浴びせまくり生まれ変わった私は、人力車を見つけ「1000円くらいで乗れんのかね?」と馬鹿丸出しの発言をしてしまった
まるで車夫さんのことを考えていない馬鹿丸出しつるっぱげの発言だった、調べてみると「3000円~」らしい
1000円じゃ割に合わないに決まっている、少し考えれば分かることだ
分かったのは浅草寺の煙に即効性はない、浅草寺の煙に即効性はないのだ
17時
小腹が空いて、何かご飯を食べようという話になる
浅草といえば蕎麦、天丼、お好み焼きなどとたくさん選択肢はあったが、お金のない人間たちは自然とすき家に集まっていく
結局、ウインズの近くにあるすき家でご飯を食べることになった
ウインズの近くにあるすき家は、私の知っているすき家ではなかった
今思えば、確かにお店の自動ドアを開けた瞬間「ブウゥゥゥゥゥン」と周りの時空が歪んだ気がしないでもない
すでにお店の中にいたお客さん達は完全に競馬で負けていた、こればかりは断定ができる、完全にあいつ等は競馬で負けている
そして皆フォルムが同じなことに驚いた
着ている服、被っている帽子、○○、○○など類似点が多く、もしかして「1人から細胞分裂した地球外生命なのかこいつらは?」と思ってしまう程だ
私が「高菜明太マヨ牛丼」を美味しくなさそうに食べていると、細胞分裂した1体がしれっとお金を払わず出て行った
思わず二度見してしまう、そいつはご丁寧に自転車の鍵を外してゆっくりと帰って行った
傍から見てみればこいつは食い逃げをしているようには見えない
おゲボちゃんが出そうになった、何だこの空間は
そりゃ従業員に日本人はいないよ、働きたくないものこんな異空間で、「あの人お金払ってないよ?」と言ってあげる元気もなかった
精をつける為にあるような牛丼を食べているにも関わらず、精は吸い取られているような気がした
おまけ
どうやら同じタイミングで注文をしたおじさん2人のうち、1人がどうも忘れられていたらしくずっと「まだ来てないんだけど?」とちょいギレの大盛をかましていた
数分後、忘れられていた牛丼を従業員が持ってきた
何かシーザーサラダが乗っかっている不思議な牛丼だった
一番コスパが良いものを注文しろ、どうせ競馬で負けているのだから