白塗りの裏側

ヴィジュアル系バンドのボーカルと嘘をついて、平成29年4月26日まで嘘を書いてました

第61回 「食べれない」

1泊2日の旅行に行ってきました、群馬県草津温泉

プチ潔癖症の私ですが、ここ数年で温泉はナシよりのアリになってきました

まだ入る前に「この温泉は綺麗なんか?」と頭によぎりますが、やっとお湯に浸かる気持ち良さが勝るようになってきて、歳を取ったなあってしみじみ思います

 

「歳を取ったなあ」って思った瞬間がこの旅行中にもう一つあって、まあ食べれる量が減ったんですよ、もうね、全然食べれないの

 

夕食の時間、旅館のお食事処に行ったらテーブルの上に1人用のすき焼き鍋が置いてあって、その隣にそれはそれは雑巾のようなでっかい牛肉が神々しく光っておりました

しかも4枚、その牛肉を他の具材の上に被せて鍋のふたのようにして火を通して食ってくれっつうんだから、バカヤロウって感じですよ

ちょっと赤みが残るでっかい牛肉を、名前は忘れた凄い新鮮な生卵にくぐらせて食べたら、脳汁がドバドバ出てきて脳汁ダムが決壊しそうになりました

量より質、美味しい物はちょっとだけでいい

 

肉4枚もいらんかったです、マジで肉2枚でよかった

3,4枚目の肉がもうホントにきつくて、口に放り込んでは生ビールで流し込む、っていうバカヤロウな食べ方しちゃって今は謝罪の気持ちでいっぱいです

何とか食べ終えてひっくり返ってると、目の前に刺身がやってきて、何やらこっちに向かって話しかけてくるではありませんか

 

「HEY!」

 

「HEY!」じゃねぇよ、海の幸もあんのかい、これ山の幸もありそうだなと思ったのもつかの間、刺身の後ろに天ぷらがやってきて、こっちに向かって話しかけてきてたけど刺身のことでいっぱいだったんで何て言ってたかは分かりません

ただ、こちらから天ぷらに向かって「無理だよ」って言ったのは何となく覚えてます

 

「パーティーの始まりだ」と言わんばかりに、このタイミングでお米をおひつからよそおうとしたんで慌ててストップかけて大変でした

クレジットカードをどっかに落として慌ててストップかける、みたいなやつがイマイチピンと来てなかったんですが、この一見で何となく分かったような気がしました

ちょっとでも茶碗に米をよそわれたら終いなんでそりゃ一生懸命でした、こういうことか、そりゃ焦るなあ

 

そんでお吸い物は出るわ、デザートは出るわ、終盤の追い上げに見事に敗れほとんどお残ししてしまいました

同い年くらいの人ならたぶんペロッていけちゃう量だとは思うんですけどね、一口ずつつまんで「もういいわ、次」って全部ちょっとだけ食べました

お姫様じゃないんだから

 

皆さんが思う「量より質」っていう言葉の量より、私は二回りくらい量が少ないんじゃないでしょうか

自分の「量より質」って言葉の量が可視化できるようになれば、これほど楽なことはないのに