第100回 「パチンコ」
渋谷でパチンコを打った
いつもは近所にある小さなホールで打っているのだが、たまたま用事で渋谷に行き、先月は強運を纏っていたのでワンチャンあるかと思いホールに入った
渋谷のホールは近所のホールとは比べ物にならない程広く、地下1階、上は4階まであって「ルミネかよ」と思った
ルミネでは全くないのだが、無い知恵を絞って出てきた言葉が「ルミネかよ」、非常に情けない
あと同じ台が100近くあることにも驚いた、しかもそれがほとんど埋まっている
近所のホールでも20近くあって、それですら「そんなに同じ台ばっか置いて経営の方は大丈夫かしら?」と要らぬ心配をしていたというのに
何事も自分の物差しで測るもんじゃないなと思った
同じ台を100近く置いていても、渋谷のホールはきっと「黒」に違いない
時刻は20時過ぎ
ゆっくり腰を据えて打てる時間でもないので、5000円くらいで出なかったら帰ろうと思い台を選んでいたのだが、もれなく自分が座ろうとする台の隣には恐い人間が座っていた
その人達の写真を道行く一般の方に見せて、「この人、どういう風に見えますか?」的な質問をしたら、97%「渋谷でパチンコ打ってそう」という答えが返ってくる見た目の恐い人間が座っている
私はビビりなのでそういう人間の隣には絶対に座らない、万が一激アツの予告でも引いてしまった時には、骨の髄までしゃぶられてしまう
しかしパチンコは激アツの予告を引かないことには始まらないので、引いても何の害もないおばあちゃんの隣で打つことにした
今日は「この台出そうだな」とか、「結構ハマってるしそろそろ来るかも」とかで台は決めない
「仮に滅茶苦茶出たとしてもむしろ一緒に喜んでくれそう」という基準で決めさせていただいた
打ち始めて5分で隣のおばあちゃんが確変を引いた
何なんだよ、心を落ち着かせる為に煙草に火を点けたら、おばあちゃんの冷たい視線が飛んできた
渋谷のホールは、どの台に座っても大ハズレだなと一つ勉強になった