白塗りの裏側

ヴィジュアル系バンドのボーカルと嘘をついて、平成29年4月26日まで嘘を書いてました

第74回 「うちの子は」

爆裂に金欠になってしまった

「爆裂とはいえゼロではないんでしょ?」と言われそうだが、確かにゼロではない

140円だ、一時所持金が140円になってしまった、スタートしたてのポケモンのゲームよりお金を持ってない

 

しかし、こんなときに限ってお金が必要な案件が発生してしまう、だから人生は面白い

なんてカッコつけている余裕などなく、どうにかして4000円を生み出さなくてはならなくなってしまった

漫画を売りに行こうと思い本棚を見たが、幾ら探しても売れそうな本が無い

そうだ、私には先見の目がなかった、買い始めた漫画は大体3巻くらいで終わってしまう、3巻くらいで終わってしまうような漫画は1冊100円にもならない

 

ならばDVDを売ろうと思いカラーボックスを見たが、幾ら探しても売れそうなDVDが無い

そもそもDVDをあまり持っていなかった

 

結局3DSを売ることにした

塵を集めて山にするよりも一撃で4000円を手にしてやろう、その一撃を食らわせることができるアイテムがギリギリで3DSだった

5年前に買った一番古いタイプの3DS、自慢じゃないが大切に大切に使っていた

画面には保護フィルムを貼り、本体にも傷が付かないようにハードカバーを装着させ、それはもう過保護を爆発させていた

twitter3DSの買取相場を調べたところ、状態が良くて4000円、悪いと買い取ってくれないところもあるらしい

ショックを受けても大丈夫なように、2500円と低く見積もってお店へと行った

 

200円だった

嘘だろ、思わず店員に「3DSなんですが?」と聞いてしまった、店員の顔は「知ってますが」の顔だった

どうやら「タッチペンの反応が悪い為」200円らしい、だとしても200円ってあるかよ

とてもとても大切に使っていたのに、何かこう、手塩にかけて育てた息子を全否定されたような感覚になった

「どこの馬の骨かも分からん奴にうちの娘はやれん!」と言われた我が子の親の気持ちだ

 

3DSを抱きかかえてお店を飛び出した、だって200円な訳ないもの

 

しかし200円のレッテルを貼られてしまった為、ちょっとビビりになっている

どうしても今日中に4000円を錬金しなければならない

藁にもすがる思いで別のお店に行った

 

お受験で入るような幼稚園よろしく、「ああ、これは親の態度も見られているな……」と思い、とても下から丁寧に丁寧に我が子を差し出した

「あの3DSなんですけど……、一番古いやつで……、買い取ってもらえますかね……」

親の態度で減額されることはこれで無くなった、あとは我が子の能力次第だ

 

4000円だった

4000円を受け取るときにちょっと手が震えた、ほれ見たことか、うちの子が200円な訳がない

レシートをチラッと見たら状態ランクAで買い取ってもらえたようだった、たぶんランクAは一番上だと思われる

「ほらね、あなたにはピッタリの相手が必ずいるの、ママが見つけてあげて正解だったでしょ」の気持ちになった

気持ちになったけど、このタイプのお母さんは嫌いだ、ていうか好きなやつを見たことがない

 

命がけで手に入れた4000円は、夜には全部無くなってしまった

4000円も3DSもあっという間に無くなる、明日は待ってくれない

だから人生は面白い

第73回 「ゴミ箱」

独りで飲みにはよく行くが、ご飯を食べにはあまり行かない

日曜の昼下がり、といっても15時前だったが、近所にバーガーキングがオープンしたので行ってきた

ショッピングモールの中に入ってるタイプのバーガーキングで、さすがは日曜ということもあってだいぶ混んでいる、それはそれは蛇のような、蛇のような行列だった

家族連ればかりで、おひとり様が並ぶのはちょっと恥ずかしかったが、同じくおひとり様の女性がすでに並んでいたので、「お、いいのがいるな」と思い私も行列に並んだ

 

並んでいる途中にメニューを決めようと選んでいたのだが、ワッパージュニアの姿が見つからない

祝日だからジュニアはいないのか、ノーマルバーガーの写真を見てもたぶん食えそうにない大きさ、ちょっとパニック気味になってしまった

しかし無情にも列は進む、列から抜け出そうと思ったが口はもうバーガーの口だ

仕方ない、みっともないけど大人なのにバーガーを残すか、名前も忘れたでっかいバーガーにしようと腹をくくり、「お次のお客様」と地獄へ案内された

注文しようとカウンターのメニューに目をやると、小さく小さく「ジュニアサイズ有り」と書いてあるではないか

「こんな見にくいとこに記しやがってクソが」という怒りの感情と、「ちょうどよくお腹いっぱいになる~」という安堵の感情が混ざり「ワッハージュニアのセット一つ」と「パ」の半濁音がどっかに行ってしまった

 

列に並んでいる時間くらいでは混雑もそんなに解消しないので、席はだいぶ埋まっていた

空いているところといえば、テーブル席に囲まれた、中央のおひとり様専用の島みたいな席のみ

席に座ったのはいいが、目線をどこにやればいいのか悩みに悩んだ

目の前に目線をやれば赤の他人と目が合って気まずいし、かといってスマホをいじりながらというも行儀が悪い

探しに探してゴールはゴミ箱だった

 

バーガーを食べながら、ずっとゴミ箱を観察していた

誰一人として紙類とプラスチック類は分別しない、「飲み残しはこちらへ」の中身はどうなっているんだろう

私が天才だったら、この風景から何かヒントを得てとんでもないことをしでかせたかもしれない、凡才はゴミ箱をずっと見ていても「ゴミ箱」としか思えない

第72回 「恵比寿」

先日、友達と花火をすることになっていたのだが、天気のせいで流れた

友達はもちろん男、「男2人で花火なんて」と思うでしょうが、やってみると絶対に楽しいし何より綺麗、暗闇に輝く花火を綺麗と思わない奴は絶対にカッコつけている

私もちょっと前まではそうでした、しかしハタチを越えてから、秋刀魚の内臓が美味しく感じるように花火も綺麗に見えてくる

 

そんなこんなで予定がボッコリ空いてしまった

もう花火の脳みそになってしまっていたので、家で大人しくしてるのも勿体ないなあと思い、運よく別の友達を捕まえることができたので飲みに行くことになった

「渋谷か新宿か恵比寿のどこかで」とLINEが来たので、迷わず「恵比寿ですね」と返した

「恵比寿で飲むとか田舎もんだよね」とボケっぽくおどけたが、実際はマジだ

恵比寿でいっぺん飲んでみたかった

 

金曜の恵比寿、新宿や渋谷よりは人が少ないと思ってたのだがとんだハゲだ、えらい人がいる

ただ歩いてる人は、同じ時間帯を歩いてる新宿や渋谷の人よりは民度が高い、これが恵比寿、女性は皆ストールを巻いている

さすがは花金、どこに入っても満席、予約でいっぱい、店が絶対に足りてない、店を作れ、店を

 

ようやく入れた、恵比寿なのに赤提灯の雰囲気のあるお店

入った時点でカウンターのせっまい狭い場所に案内され、私たちが入って満席になった

40人近くのお客さんを店員3人で回している、ホッピーを2秒で作ってしまうくらい手際が良く惚れ惚れした、その様をツマミにお酒が飲めてしまう

料理も美味しくて良いお店だったのだが、唯一、唯一注文した焼き鳥が何か教えてくれなかったのが減点ポイント

コブクロだのガツだの、調子に乗って普段食べないようなやつばかり注文してしまったので、「これが○○です」と教えてくれないと、モノを見ただけでは分からない

「何か分からねーけどすげー美味しいな」、この台詞しか出てこなかった

ああ、何かは分からなかったが、アレは歯ごたえがあって美味しかったな

 

2時間近く飲んで、ビリヤードをして家に帰った

恵比寿で飲んでビリヤードするなんて、高校時代の私からすれば考えられないような金曜の過ごし方だ

第71回 「科学の力」

科学の力って凄いなあと最近思う

ちょっと前まで自分はメカに強い方の人間だと思っていたのだが、どうやらそうではないみたいだ

でもこれだけは言わせてほしい、配線は上手いから、配線は綺麗にできるから

 

先日、動画を撮って送らないといけない用事ができた

「じゃあスマホで撮ってSDカードに入れて送ろう」ということになり、動画を撮りに友人とカラオケに向かう

まずは私のスマホで動画を撮ったのだが、どうにもこうにも音声が入らない

マナーモードの状態で撮ってるからなのか、そもそも性能が悪いのか、全く原因が分からずお手上げ状態

仕方ないので友人のスマホで撮るとばっちり音声が入って、私のスマホがオンボロであることが証明された

動画の編集は私がやることになっているので、その動画を私のスマホに移さなければならない

自分のスマホからSDカードを抜いて、友人のスマホに入れてコピーしようとしたら出来なかった

もう無理だ、音声が入らなかった原因さえ分からなかったのだから、SDカードの問題なんてクリアすることは不可能だ

メールで送ることも無理、赤外線もダメ、結局新しいSDカードを買うことになり、私のスマホ、そして使っていたSDカードさえオンボロだということが証明された、今のご時世こんなオンボロスマホでよく生活できているなあと思う

 

SDカードを買いにヤマダ電機へ行った

たくさんのSDカードの前で私は呆然と立ち尽くす、どれを買えばいいんだよ

高いやつを買っておけば間違いないけど値段が値段だし、かといって安いやつを買ったら買ったで動画入れられなさそうだし

すると友人が「これでイケますよ」と500円のSDカードを手に取る

「いやいやちょっと待ってくれよ、500円だぜ、イケんのかそれ、店員さんに聞いた方がいいんじゃない?」とめちゃくちゃビビッてしまった

ダメ押しでもう一回「店員さんに聞いた方がいいんじゃない?」と言ったのだが、「これで」と友人は動かない

レジで会計を済ませるまで、ずっとションベンが漏れそうだった、失敗してもたかが500円、情けないったらありゃしない

 

結果20秒でSDカードに動画を入れることができた

「私もこれでイケると思ってましたわ」と言わんばかりのキメ顔をかまし、心の中では「科学の力って凄いなあ」と大興奮、ドキドキが止まらない

まだまだ知らないことばかりの世の中だ

 

そんな機械オンチの私が時代遅れのLINEスタンプを作ったのでよかったら是非

https://line.me/S/sticker/1273536

第70回 「水回り」

ここ数日とても生活が荒んでいる、同時に部屋もちょっと汚くなってきているような気がした

特に水回りがひどい、「原因はそれだ、絶対にそれだ」と自分に言い聞かし、バイト終わりにお掃除をすることにした

一度始めようと思うと他のところも気になってくる、しかし携帯の時計は16時を越えている

さすがにこの時間から掃除機をぶん回すのはちょっと気が引けるので、部屋全体のお掃除は明日にし、とりあえず溜まったビニール袋を三角に折ることから始めた

ビニール袋を三角に折るとかさが減ってスッキリするし、何より心が浄化されていくような気がしてきて、ものの数分で悟りを開いた

これをやるときは是非、正座をしてビニール袋を折っていただきたい

 

次にキッチンへ向かう

シンクを磨きに磨き、三角コーナーとスポンジ置きと排水溝のごみ受けにハイターをふりかける、今日は何やら「三角」が多い

そしてその間にトイレ掃除と風呂掃除

トイレの芳香剤の上に灰皿が置いてあって、こりゃ芳香剤もキャパオーバーしていると思った、そりゃ生活も荒むわ

便器を磨きに磨き、ふとトイレットペーパーをお店のように三角に折ってしまい、思わず笑ってしまった

トイレ掃除を終えてすぐに尿意がやってきて、「一番風呂ならぬ一番流れだからな、有り難く思え」と流れていく尿に思いを馳せた

そして最後に風呂掃除、ここまで来ると自分から「三角」はないかと探してしまう

 

三角は無かった

ちょっと残念な気持ちになった

 

水回りを綺麗にしたのだから、明日はきっといい日になると思う

そんな日に限って「めざましテレビ」の占いで最下位になったりするもんだから、人生は面白い

 

文末は全然綺麗にできない

第69回 「危険な賭け」

8月も終わり9月になった

あっという間の8ヶ月、うんこみたいな8ヶ月

月の初めは気持ちも新たに「今月は身になる1ヶ月にしよう」と心に決めるが、9月に入って2日連続自慰行為をしてしまった

2日合わせて1時間弱しか時間を使わなかったことだけは褒めていただきたい、今月も張り切って生きていくぞ

 

今日の夜はバイトだった、といっても暇だったので早上がり、もう家に帰って来ている

夜のバイトはまかないが出るので、いつもは昼間何も食べなかったり、ちょっとだけをお菓子をつまんだりし、腹減りを調整してバイトへ向かう

バイト先のまかないにはルールがあって、出勤したときにお客さんがいなければ「今のうちに食っちゃえ」とすぐまかないが出てくるが、お客さんがいると「それどころではない」ので後回しになる

後回しの連鎖が止まらなくなると、あれよあれよとまかないを食べるのが21時過ぎになったりする

だからバイト前にご飯を食べておいた方がいい場合もあって、見極めるのが非常に難しい

まかないは非常にしっかりしたメニューなので完全なコンディションで食べたいのだが、この危険な賭けにはよく負けてしまう

 

昼間は別のバイトがあって、ご飯を食べるのがどうしても15時頃になってしまいそうだった

夜のバイトは18時から、今日は土曜日、出勤したらお客さんがいる可能性は非常に高い

どうしようかと悩んだ挙句、ちょっと遅めの昼ご飯を食べることにした

昼のバイト終わりによく通っているパン屋さんに寄ってパンを買う、かったいかったいフランスパンとクロックムッシュ、まさに勝ち組の昼ご飯

お腹いっぱいになり、ちょっとお腹を休めて夜のバイトへ向かう

休憩3時間じゃお腹は全然減りません、しかし今日は土曜日なのできっとお客さんはいるでしょう、この危険な賭け、今回は私の勝ちだ

 

お客さんはいなかった、ああ、3時間前の私を殺したい

もうすでにまかないは作り始まっている、今さら「今日はまかない要りません」なんて言えないじゃない

今日のまかないは「手羽先のからあげ定食」、完全に失敗した、当たりのまかないだ

自分のお腹に軽いジャブを打ち込むという謎の行為でお腹を減らそうとしたが無駄だった、こんなときばかり盛られた白飯の量が多い、仏壇の白飯じゃないんだから

 

まかないを食べ始めようとしたら、常連さんがやってきた

いつもならお客さんから見えないキッチンの後ろで食べるのだが、この常連さんは「こっちで食べなよ」というタイプの人

常連さんの座っている席の前の席でまかないを食べ始めることに

こんなときばかり多く盛られた白飯を処理していたら、常連さんが「これ、美味いよ」と自分が注文したでっかい油揚げを差し出してきた

いやこんなときばかり油揚げを差し出してくるなよ、有り難いけど

一切れの半分を貰おうとしたら、「食え食え」と二切れよこしてきた

「私、飯をいっぱい食べるタイプの若者じゃねえんだわ」、届かない叫び声が空を斬る

 

腹が爆発しそうになったが何とか食べ終えた、体中の穴という穴からご飯粒が出てきそう

「おう、食い終わったか、じゃあ1杯飲め」

いやこんなときばかりビールを飲ませようとするなよ、有り難いけど

お店が真っ暗だったら、フォアグラを作るときのガチョウの肝臓の肥大させ方のそれだ

 

さすがにビールは飲み切れなかった

まだこの危険な賭けに勝ったことは一度も無い

第68回 「納涼船」

先日、バイト先の人たちと東京湾納涼船に行ってきた

納涼船に乗って東京湾をぐるっと巡り、乗船中はお酒が飲み放題、船内にはDJブースがあったりしてちょっとしたクラブのようになっている

 

私は今回で2回目、前回は調子に乗って飲み過ぎ、2軒目に行った新橋の居酒屋のトイレで居眠りをこいてしまった

一段上がるタイプの和式トイレでその段差に腰掛け居眠りをこいていた、潔癖症が聞いて呆れる

いつまで経っても私が帰ってこないので心配したバイト先の店長が、居酒屋の店員さんに頼んでマスターキーを使ってトイレを開けようとした瞬間に私が出てきたらしい

マスターキーで開けたトイレの中で私が居眠りをこいている、こんな恥ずかしい話はない、絶対に孫の代まで語り継がれる

 

だから今年は綺麗に飲もうと決めていた

 

乗船中は飲み放題だが食べ放題ではない、金券を買って交換するという花やしきシステムなので、もったいないからと乗船前におそばを食べることに

去年はここでお腹減ってないからとバイト先の人と並盛のざるそばをシェアするという、財布には優しいが体には悪い行動をとってしまったのでひどい目に遭った

だから今年はちゃんと1人前食べる

悩みに悩んで生姜たっぷりの薬味そば、こんなときばっかり健康を気にするな気持ち悪い

 

そばを食べ、乗船前に1本缶ビールを空けて、ああだこうだしていたらあっという間に出航の時間

何百人という人がぞろぞろと乗り込んでいく、非日常を感じてしまったのか「よくこんなに人が乗っても沈まないよなあ」とアホみたいなことを呟いてしまった、あのときの私は船をエレベーターか何かと勘違いしていたようで非常に恥ずかしい、周りの人たちの耳に入っていないことを祈る

 

いよいよ出航

東京湾から見える夜景と潮風が心地よくて、嫌なことなんて本当に忘れてしまう

終始口を開けたまま、「いやたまんねぇなあ」と東京の夜空を見上げていた、本当に田舎もんの悪いとこが全部出ている

乗っている人のほとんどが若くみんな浴衣を着ていて、女の子なんて特に2割増しに可愛く見えた、ただそうでもない女の子の浴衣姿ほど悪目立ちするものはない、なぜストッパーを連れてこない

 

男2女1のグループが私たちの近くにいた、学生丸出しの私服の男と浴衣の男、そして浴衣の女

しばらく見ていると、私服の男は浴衣の女に完全にほの字だということが分かった

懸命に話を盛り上げたり、飲み物を取ってきたり、しかし浴衣の女はつれない素振り

勇気を出して、私服の男はちょっと強めに浴衣の女にツッコミを入れ距離を詰めようとしたが、スベって失敗に終わった

ていうか浴衣を着ていない時点でもうお前ではない、残念だけど浴衣の男が全部持って行く、人生とはそういうものです

 

私もちょっとロマンスを期待したが、そんなものは一切なかった

苦し紛れに船内をウロチョロしたり、喫煙所で独りたばこを吸ったりしてみたが、何の音沙汰もない、デッキへと戻る後姿が非常に寂しく見えたと思う

ただデッキの手すりに寄りかかって夜景を眺めていたら、隣に女の子のグループがやってきて近い距離で夜景を眺め始めた

お酒も入っていて、夜景なんて頭に入ってこず、「いやもう肩当たってますやん」と童貞みたいな思考になっている

小声で「(夜景が)たまんねぇなあ」と仕掛けてみた、特に反応はない

すると向こうが独り言のように「あれ、UFOじゃない?」と呟いた、これは完全に仕掛けてきている(と思う)

しかし最後の一撃が撃てない私は聞こえないフリをしてしまった

「UFOなんているわけないじゃない」、なぜこの一言が言えなかったのか、このクソ童貞野郎が

東京の夜景が私のことを笑っているようにキラキラしていた

 

気づいたらハイペースでビールを飲んでいた

結局、2軒目に行った有楽町の居酒屋でふぬけになってしまい、注文したアセロラサワーも飲みきれず、バイト先の人に飲んでもらう始末

 

今年も綺麗に飲めなかった、綺麗だったのは東京湾の夜景だけ