白塗りの裏側

ヴィジュアル系バンドのボーカルと嘘をついて、平成29年4月26日まで嘘を書いてました

第85回 「浄化」

自販機補充の横乗りのバイトばかりしている

 

何回か入ってみて、やっと当たりドライバーはずれドライバーが分かってきた

まず歩いているお年寄りに悪態をつくドライバーははずれ、というかそんな人間はそもそも人としてはずれだ、お前もいつかああなるんだから

あと運転がへたくそな他のドライバーに舌打ちを連発するドライバーもはずれ、いや私の姿が見えていないのか

先日もドライバーに仕事が遅いと思われたのか、隣で何回もデカいため息を吐かれた

「いやここの業者は初めてなんだから大目に見てよ~」と欽ちゃんの如くふにゃふにゃをかましたのに、全く響かなかった

「まあドライバーさんも毎回初めましての人が多いんだから仕方ないか」と言い聞かせたが、2日も経てばそんなことは忘れてしまう

イライラが込み上げてきて、「ああ何て情けない」と自分にがっかりしてしまった

 

打って変わって今日のドライバーは神様のようだった

仕事はほとんど独りでやるし、私はほとんど助手席で待機

そんな私に嫌味一つ言わず、おまけにジュースまで頂いて、挙句終了の2時間前に「もう帰っちゃっていいよ」と早上がりにしてもらった

 

そんなことあるのかと思いながらも、「ああ、何か腐っていくなあ」とも思った

何もしない、しかしその場には居ないといけない、まさに時間を売っているという感覚

決まっていた解散場所とは1つ2つ離れた駅でさよならしたのだけど、ずっと座っていたし、時間も余ったので歩いて帰ることにした

徒歩30分強、初めて歩く都会の中に流れる川のせせらぎを耳にした

落ちる夕陽、川のせせらぎ、何か、よくないですか?

第84回 「マスカット」

先日、バイト先で黄緑色をした大きい粒のタイプのぶどう、マスカットを貰った

 

果物なんてまずスーパーで買わないので食べる機会はほとんどない、と言いながら今年に入って行商人から柑橘物を2回買わされている、もう買った柑橘物の名前され忘れた

そしてマスカットなんてもう何十年も食べてないので、食べ方も忘れている

「これ皮もイケるやつだっけ?」とすぐスマホで検索しようと思ったが、すぐスマホで検索したら何か負けたような気がするので、皮ごと食べた感じで判断しようと思った

 

結果はグレーだった

ちょっと口に皮が残ったけど、「これがマスカットの本当の食べ方ですよ」と言われればそんな気もする

しかし、私はみかんの白い筋も取らないと気が済まないので、今回は皮を剥いて食べることにした

1房全粒皮を剥いて食べるとなると、それはそれでめんどくさい

汁も手に付くし、お手拭も汚れるし、あーあ、皮ごと食べりゃあよかった

 

あと久し振りにマスカットを食べたら、凄い腸が綺麗になっていくような気がした

腸内環境に良い効能、たぶんマスカットにあると思うのだが、すぐスマホで検索したら負けたような気がするから、真実は知らないまま生きていくことになりそうだ

第83回 「青看板」

最近、中野まで自転車で行くことが多い

私の住んでいる所から中野まで自転車で行くと1時間強かかってしまうが、交通費を節約するため、やむなく自転車で行っている

「やむなく」だ

「健康にも良いし」だの、「涼しくなってきたからちょうどいい」だの毎回毎回言い聞かせているが、電車に乗れるなら電車に乗って中野まで行きたい

中野まで自転車で行けば煙草が1箱買えるから、今日も私は自転車に乗る

 

色々なルートを試してみた

ナビタイムでルート検索すると色んなルートが出てくるのだが、今まで一度も提示されたルートで行けたことがない

どこかで絶対迷う、「そんな道本当にあるのか」と疑ってしまうほどだ

毎回毎回、迷ったら大通りに出てホッと一息、そして青看板を見間違えてまた迷う、これの繰り返し

実家に居た頃、親の運転する車に乗っていたときは青看板のことなんてナメくさっていた、「こんな看板誰が見てんだよ」と、「カーナビあるんだからこんなもん要らねえだろ」と

今、メチャメチャ青看板にすがっている

ただあのときナメくさっていたツケが回ってきたのか、見間違って明後日の方向に行ってしまう

 

青看板ごめんなさい

ただこんなに苦労して買った煙草はメチャクチャ美味しいので、今日も明日も明後日も私は自転車に乗る

第82回 「雨音は聞こえない」

朝、寒さで目が覚めた

 

昨日家に帰って来たのが24時前、昼間の暑さが部屋中にこもっていたので窓を開けて寝ることにした

入ってくる風が気持ちいい、部屋の温度に対してちょうどいい温度の風

明日朝から雨が降るのは分かっていた、気温もめちゃくちゃ低くなることも分かっていた

結果、寒さで目覚ましより1時間半早く起きてしまった、舌打ちも凍るほどの寒さ

二度寝顔はしかめっ面だったと思う

 

昼間はいつも通りバイトだった

家に帰って来て、煙草を吸おうと外へ出たら向かいの家の玄関に女子中学生が一人

「ああ、もう下校の時間かいな」と時の経つスピードに呆然としながら煙草を吸っていると、「ドン! ドン!」と何かを叩く音が聞こえてきた

音のする方に目を向けると、その女子中学生がひたすらに玄関のドアを蹴っている

トーキックの音量だ、人生の中でサッカーに充てた時間はほんの数十分しかないが、「トーキックはめちゃくちゃ痛い」というのは覚えている

たぶん鍵が無くて、家の中にいる誰かに気づいてもらおうとしてドアをトーキックしているのだろうと思った

 

ピンポンを鳴らせよ、っていうかこのご時世小学生でもスマホを持っているのだからスマホを鳴らせよ

トーキックしなければいけないほど追い込まれているのかと心配になってしまった

閑静な住宅街に響くドアをトーキックする音、思っているより周りに聞こえる

もっと落ち着きなさい、「今すぐどうぶつの森をやりなさい」と3DSをプレゼントしてしまいそうになった

 

何回かドアをトーキックした後、ぬっとドアが開いて結局その女子中学生は家の中に入れた

いや家の中に誰かいたんかい

ただ血の気の多い女子中学生だっただけかい

第81回 「旧友」

小中学校の同級生と飲みに行った

 

未だによく遊ぶ地元の同級生がいて、元々はそいつと東京競馬場に行く予定だった

そしてそいつが他の同級生を連れてくるってんだからガクブルが止まらない、何せ中学校の卒業式以来会ってないのだから

久しぶりに会う同級生たちは中学校時代まあまあの仲だったのだけど、この10年弱でその仲の良さの貯金はゼロになっている、これほど恐いものはない

 

結局急な用事ができてしまい、私は競馬場には行けずその後の飲み会から途中参加になった

新宿アルタ前で同級生たちを待つ

あの「笑っていいとも!」がやっていた場所の前で待つなんて、中学生時代の私からしたら考えられない

ちょっとしたワクワク感と緊張感で死にそうになった

 

集合時間を過ぎた頃、チラッと周りを見たらそれらしき連中が目に入った、っていうかたぶんそれだ

私は待ち合わせで先に着いて相手を待つ立場になったとき、向こうから相手がやって来るのに気づいても、自分から「ここにいるよモーション」を起こすことができない

「おーっす!」と手を挙げながら相手に向かって行くことがちょっと恥ずかしい、だから先に気づいても「気づいてないフリ」をして相手から声を掛けてくるのを待つ

「待ってました! 楽しい夜にしようぜ!」感を出すのが苦手だ、凄い楽しみにしてたけども

同級生たちはまんまとその罠に引っかかった

しかし不思議なもので、10年会ってなくても一瞬であのときのポジションにスッと納まる、いじる奴いじられる奴、2日ぶりに会うみたいだった

 

特に会話が詰まることも無く近くの居酒屋に入る

雰囲気はあのときのままなのにみんな煙草を吸うしお酒も飲む、パラレルワールドに迷い込んでしまったみたいだ

仕事の悩みの話になったときは、いよいよ出られなくなってしまうんじゃないかと思った

しかし私は未だにバイト生活なもので、大したアドバイスもせず延々とみんなの話を聞いて吸収していった、さて、どこで吐き出してやろうかな

 

21時前になって一人帰り、残った奴らでビリヤードに行った

それはそれは素敵な時間だった、久しぶりに良い時間を過ごさせてもらい、良いお金の使い方をした

こんなに楽しかったのに、また明日も会いたいと思わないのは何故だろうか

 

そりゃ小中とほぼ毎日のように顔を合わせてたらそりゃそうか

もうすでに人生で顔を合わせる回数が決まっていて、「それに合わせて私たちは動かされているのだろうな」と難しいことを考えてしまった

第80回 「生放送」

録画した山田孝之の生放送の番組を観た

私はテレビでもラジオでも生放送が大好きで、同じ時間を共有している感じ、ハプニングが起きたときの空気、出演者の方々が必至こいて番組を作っている様がとてもたまらない

何なら「ヤバいこと何か起これ」と期待しながら観ているときもある

 

録画、録音しても生放送は面白いなあと思う

「生放送録画しちゃったら意味ないだろ」と誰かが歌っていたような気がするが、リアルタイムで楽しめなくても生放送は面白い

いつもは生放送のラジオが都合で録音になった回を眠くて録音して後日聴いたとき、「何だよ、今日生じゃねえのかよ」とよく舌打ちをしてしまい、「何様だよ」と後になって後悔する

「やっぱり生放送は緊張感があっていいなあ」と山田孝之の番組を観て改めて思った

 

今日はそれだけ

ブログは制限がないからこの程度の文字数だ何かさっぱりしてしまう気がして、だからtwitterは流行ってるんだなあとも思った

第79回 「優先度」

ここ2週間くらい家にトイレットペーパーが無かった

無かった理由は各々で想像していただきたい、ただそんなにみじめったらしい理由ではないのであしからず

 

トイレットペーパーの無い生活は最初の2,3日がとてもきつい

ウンコしたくてもそう簡単にはできないし、しかし毎回我慢してお腹の中にプールすることもできない

そういうときは仕方なくティッシュで代用した

うちのトイレはティッシュ4枚までなら問題なく流せる、しかし5枚目に挑戦する勇気は私には無い

あとティッシュでお尻を拭いた後は手をしっかり洗いたくなる、それはもう入念に、入念に手を洗った

結局のところ、トイレットペーパーの代わりにティッシュを使うとめちゃくちゃ水を使ってしまうことが分かった

 

ここ2週間くらい家にインスタントコーヒーが無かった

無かった理由は各々で想像していただきたい、ただこっちの理由はお金が無かったから

あんまりコーヒーを切らすことがなかったので不安で不安で仕方なかった、中身の入ってない瓶を見つめてため息をつく、もはやカフェイン中毒である

 

昨日やっとこさコーヒーを買うことができた

嬉しくて嬉しくて仕方なかった、冗談抜きでこのまま死んでもよかったくらい、カフェイン中毒の何者でもない

18時から24時の間の6時間で調子にのって3杯も飲んでしまった、昨日はコーヒーを1リットル近く飲んでいる

結局のところ、コーヒーは意外と水のように飲めるということが分かった

 

私にとってトイレットペーパーよりもコーヒーの方が優先度が高いということが分かった雨の金曜日